国民民主党 第51回
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こくみんファクト

政策

政策各論1

手取りを増やす

今の日本には、「手取りを増やす」ための政策実現が必要です。2025年における春闘の賃金上昇率は、2年連続の5%台と大幅に伸び、中小企業での伸びも目立ちはじめました。他方、物価上昇率は3%を超える高い水準で高止まりしており、家計を圧迫し続けています。賃金上昇の流れを止めることなく、1996年をピークに長期的に下がり続けている実質賃金を上昇に転じさせ、「令和の好循環」をつくり、日本経済を盛り上げ、10年後めどで名目GDP1000兆円実現をめざします。
政府が財政難を強調し、支出を絞り続ければ、医療等各分野や社会インフラの破綻、更なる消費停滞を引き起こす可能性があります。財政健全化目標を見直し、名目賃金上昇率が一定水準(物価上昇率+2%=当面の間5%)に達するまで、積極財政等と金融緩和による「高圧経済」によって為替、物価を適切に安定させ、経済低迷の原因である賃金デフレから脱却します。それまでの間、増税や社会保険料アップ、給付削減等による家計負担増は行いません。「大規模、長期、計画的」な産業政策と、消費力を高める「家計第一の経済政策」により、分厚い中間層を復活させます。トランプショックによる経済への影響を勘案し、内需の拡大、そのための減税政策、手取りを増やす政策を実現しなければなりません。また、2年連続の高水準の賃上げの流れが、地方や中小企業まで行き届き、誰もが手取りが増えた実感の持てる経済をつくります。
現役世代の給料が上がれば年金も上がります。現役世代の納める保険料が退職世代の年金に充てられる仕組みになっているためです。年金を上げるためにも給料が上がる経済を実現する必要があります。

1.「令和の所得倍増計画」

「未来志向の積極財政」と金融緩和で消費や投資を拡大させるとともに適正に価格転嫁できる環境を整え、持続的に物価を上回る賃金アップを実現します。また、減税、社会保険料の軽減、ガソリン代・電気代値下げ等生活費の引き下げにより、「消費」を喚起します。
成長分野(AI、半導体、Web3.0、蓄電池、宇宙、ロボティクス、暗号資産、医薬品、介護・医療、量子、核融合、自動運転、防衛、造船、創薬、ソフトウェア開発等)への投資減税等を行い、「投資」を拡大し、日本経済を強くし、持続的な成長につなげます。

(1)「消費」の拡大
❶介護職員、看護師、保育士等の給料倍増

特に、公定価格が給料決定に影響を及ぼす介護職員、看護師、保育士等の方々については10年で地域の実情を勘案しつつ給料を2倍にするとともに、地域手当の見直しを行います。処遇改善加算等は対象者に直接給付します。

❷初任給倍増

初任給を大幅に上げて「初任給倍増」を早期に実現し、若い世代に所得増加で経済的ゆとりを生み出し、経済的に婚姻できない状況を改善するとともに、非婚、未婚、ひとり親を選択した場合でも、子育てを応援できる環境を整えることで少子化対策にもつなげます。

❸所得税・住民税減税

所得税を課す最低金額の引き上げ等を行い、賃金上昇に伴う名目所得の増加によってより高い所得税率が適用され、賃金上昇率以上に所得税の負担が増える「ブラケット・クリープ」に対応します。まず給与所得者の約8割をカバーする形で178万円まで引き上げます。さらに、所得税における基礎控除の所得制限(「665万円の壁」・「850万円の壁」)の撤廃等の課題や、所得税の抜本改革に取り組みます。また、住民税の控除額「110万円の壁」を178万円に引き上げ、「インフレ増税」の緩和を図ります。
単身赴任者の帰省旅費については、通勤手当と合わせ、通勤手当の非課税限度額(月額15万円)の範囲内であれば非課税とするなど、実質的に帰宅交通費を非課税とする仕組みに改めます。また、会社から支給される単身赴任者向けの住宅手当についても、一定額までは非課税とし、さらに二重生活に伴う生活関連費や食費等の実質的な負担については特定支出控除の適用範囲に含めます。
職業の違いによる税制の不公平の是正、確定申告の機会拡大の観点等から、給与所得控除等を見直しつつ、サラリーマンの諸手当の非課税対象拡大を行うとともに、自動車の任意保険料等について特定支出控除の対象とすることを検討します。

❹社会保険料軽減策の導入

国民負担(税+社保)の上昇を賃金の伸びより抑制します。制度が複雑となる「減税+給付」の連動(給付付き税額控除)に先行して、「社会保険料還付制度」を導入し、現役世代の社会保険料負担を軽減します。働き控えを解消するため、「130万円の壁突破助成金」を創設します。次の年金制度改革において、第3号被保険者制度を廃止します。現役世代の社会保険料を負担軽減(年齢ではなく能力に応じた負担〈75歳以上の自己負担を原則2割〉とし、医療給付を適正化、公費負担増、保険診療と自由診療範囲の見直し、年金保険料納付期間延長等)します。
社会保険料に上乗せされる「子ども・子育て支援金」(いわゆる「独身税」)を廃止します。

❺消費税減税等

物価が上がり景気が低迷するスタグフレーションに陥らないため、賃金上昇率が物価上昇率+2%に安定して達するまでの間、増税や社会保険料アップ、給付削減等による家計負担増は行わず、消費税減税(10%→一律5%)を行います。
中小事業者、個人事業主及びフリーランス事業者の負担等を踏まえ、インボイス制度は廃止します。

❻若者減税

働く若者(中卒、高卒、高専卒)には所得税を減税します。2024年の日本の出生数は過去最少となりました。これは、前年比5.7%減であり、9年連続で過去最少を記録しています。結婚後に出産という意識がある我が国において、結婚、出産を後押しするため、初婚年齢が男性31.1歳、女性が29.8歳であることに鑑み、30歳までの経済的負担を軽減するための減税を行います。

❼エネルギー関係減税等

令和7年12月31日をもって廃止されたガソリンの暫定税率に続き、軽油引取税の暫定税率廃止も実現します。また、クリーンエネルギー自動車購入促進補助金を補強します。
特別高圧を含む電気代・LPガス料金等の物価高騰対策を継続する等、エネルギー関連補助金等を拡充して灯油や重油、航空機燃料、LPガス等の価格対策を進めます。電気代の高騰が続く中で、家計負担を軽減するため、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を廃止します。また、省エネ家電購入支援、省エネ住宅購入・ZEH化支援※、断熱リフォーム支援等、省エネ住宅支援策を拡充します。
※ZEH…netZeroEnergyHouseの略、消費エネルギー量を実質的にゼロ以下にする家
地方創生臨時交付金等により、水道料金を減免します。

❽賃上げ支援

サラリーマンやフリーランスの方が貯金や長期投資で資産形成できる所得水準を実現します。最低賃金を引き上げ、「全国どこでも時給1150円以上」を早期に実現します。中小企業支援の強化で最低賃金の大幅な引き上げを実現します。
中小零細企業の賃上げの原資のために賃上げ引当金の制度の創設を行います。

❾政労使合意の締結

構造的な賃上げに加え、「生産性三原則の確認と周知強化」に向けた政労使合意の締結をめざします。「労働者側」は物価上昇分を含め、正当な賃上げ要求を行います。「使用者側」は賃上げ等を実現し、適正に価格に転嫁します。「政府側」は所得の継続的な上昇に向けて適切な政策を行います。賃上げ幅の開示を義務付けるとともに、地方版政労使会議を春期生活闘争開始前のみならず集中回答を俯瞰し複数回にわたって開催し、賃上げの機運を断続的に後押しします。

❿賃上げ減税の拡充

(詳細は政策各論1の1の(2)の❹
税額控除額の引上げ等、賃上げ減税を拡充します。価格転嫁等の取引条件改善企業等に減税します。

⓫年末調整制度の見直し

年末調整制度は事業者の事務負担が小さくありません。納税者の意識醸成のためにも、年末調整制度を見直し、全員確定申告制度導入も視野に検討を進めます。

⓬もっと住宅を安く手頃に

詳細は政策各論4の7の(7)

(2)「中小企業・非正規賃上げ応援10策」

【中小企業・非正規の賃上げ原資を確保する】

❶社会保険料負担軽減

賃上げを行う中小企業、零細企業の社会保険料事業主負担の半分相当を助成し、正規雇用を促進するとともに、低所得者等の社会保険料負担を軽減します。

❷消費税減税・インボイス廃止

(詳細は政策各論1の1の(1)の➎

❸ガソリン代・電気代・ガス代・水道代値下げ

(詳細は政策各論1の1の(1)の➐

❹賃上げ減税拡充

賃金を上げた場合、法人税の減税だけでなく法人事業税、固定資産税や消費税の減税で支援します。中小企業の継続と発展を支えるため、人材確保や事業承継を支援するとともに、中小受託取引適正化法(旧下請法)の適用拡大等下請け保護制度を強化します。技術伝承の支援を行いながら、事業承継税制の恒久化及び納税免除措置の創設を行います。少額減価償却資産特例の上限額を引き上げます。また、民法の債権法を是正し、事業向け融資に関する第三者保証を禁止します。

❺医療・介護・保育従事者等の賃上げ

(詳細は政策各論1の1の(1)の❶

【中小企業・非正規の賃上げを制度で支える】

❻農林水産分野の支援拡充

農林水産分野の適正取引を推進し、農業者に対する食料安全保障基礎支払を実施します。
(詳細は政策各論4の3の(2)の❶)

❼適正な価格転嫁

不公正な取引慣行を改善します。公正取引委員会の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の産業界への周知・浸透、厳格な履行、悪質事例・好事例の公表を行います。運送業に係る「標準的な運賃」を確保した荷主への税優遇を行います。
商品やサービスの価値に見合った価格で購入する経済活動への転換をめざし、賃金や原材料・エネルギーコストの上昇分を価格転嫁につなげられる実効性ある取引環境の整備を行います。
無形知財を適正に評価する仕組み(下請けの利益を吸い上げない、マージン取得に制限を設ける仕組み)の導入等により、大企業が資源価格高騰、人件費上昇の負担を中小企業に強いることがないようにします。人材選別が厳しすぎるために、高い有効求人倍率が雇用促進につながらない構造を是正します。

❽中小受託取引適正化法(旧下請法)、フリーランス新法及び独占禁止法の実効性強化

中小受託取引適正化法(旧下請法)・独禁法の罰則、優越的地位濫用の課徴金強化、公正取引委員会等の取締強化、不適切事例公表・改善を行います。
適正な価格転嫁を支援するとともに下請Gメン、トラックGメンを増員し取引の実態把握を加速させます。運輸業や建設業の「2024年問題」や構造的課題の確実な解決に向け、改正物流関連2法や改正建設業法を着実に実行するとともに、適正取引の拡大等で中小企業の黒字転換を後押しします。
加えて、2024年に施行されたフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)に基づき、フリーランスや個人事業主を含む取引全体の公正性を確保します。フリーランス新法の趣旨を踏まえ、発注側による報酬の遅延・不払い、契約内容の不明確化、ハラスメント等の不当な取引慣行の是正を徹底し、下請法と同様に公正取引委員会等による監視・指導体制を強化します。

❾人手不足対策・育成支援

資格取得等(大型一種、二種免許等)につながる教育訓練給付の更なる拡充、企業内の人材育成を図る若手・中堅の教育プログラム作成、社会人が仕事と学びを繰り返しながらキャリアを形成するリカレント教育、リスキリング等への支援を行います。

❿税・社会保障の「年収の壁」対策

「年収の壁」の解消に向け、本質的な課題(働き方に中立的な社会保障制度への転換を踏まえた第3号被保険者制度の見直し、配偶者控除の見直し、配偶者手当の見直し、家庭内ケア労働支援、性別役割分業の見直し等)への対策を行います。

(3)「未来志向の積極財政」と財源の多様化

消費や投資を拡大させ、持続的に物価を上回る賃金アップを実現するため、「未来志向の積極財政」に転換します。財源については、①外国為替特別会計の約180兆円の資産、②年金積立金の約280兆円の資産、③日銀保有ETF等90兆円の合計約550兆円の資産運用益及び売却益を活用し、その約1%にあたる年間約5兆円程度を財源として活用します。あわせて、日銀保有国債の一部永久国債化、インフレに伴って生じる「インフレ増税」による増収分、減税等積極財政に伴う増収分、並びに、子育て・教育・科学技術分野においては「教育国債」の発行によって賄う等、財源を多様化し、確保します。その際、将来の増収効果についてのダイナミック・スコアリングの導入等精緻な分析を反映させます。
また、「減価するデジタル通貨」等についても検討を進め、財源の多様化とともに金利やインフレを抑制する新しい財政コントロールのあり方を追求します。
所得再分配機能回復の観点から、金融所得課税の強化を行います。高所得者層は金融資産から所得を得ている割合が多く、所得税負担率は1億円超から急激に下がっています。一般の家庭が少しでも余裕を実感できるようにする一方、富裕層には応分の負担を求め、そのお金を社会に還元します。
「外為特会見直し法案」の成立をめざします。外貨準備資産の額がG7の他国の数倍規模となっている現状に鑑み、①外貨準備資産の額の適正な水準について検証を行うこと②適正な水準を超える額を有効に活用できるようにすること③資金の運用方法を多様化するとの方針に基づき外為特会のあり方を見直します。
「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業等がビジネスを展開し、利益を上げている国でほとんど納税していない実態を踏まえ、国際社会と協調して課税を強化していきます。

(4)年金受給者の手取りを増やす経済

現役世代の給料が上がれば年金も上がり、高齢者の方の手取りが増えます。現役世代の納める保険料が退職世代の年金に充てられる仕組みになっているためです。年金を上げるためにも給料が上がる経済を実現する必要があります。

❶給料が上がる経済

(詳細は政策各論1の1

❷年金制度改革

年金制度について、下記の項目について必要な検討を進めます。

  • 基礎年金底上げのためのマクロ経済スライドの早期終了
  • 早期終了による影響緩和
  • カナダのクローバック方式を参考にした高所得者の年金のうち国庫負担分の全部または一部を返還する措置も含む、早期終了により必要となる国庫負担の安定財源確保の検討
  • 被用者保険の適用拡大
  • 適用拡大による中小企業の経済的負担軽減
  • 国民年金第1号被保険者の被保険者期間45年にすることの検討
  • 第3号被保険者制度廃止に向けた早急な検討
  • 国民年金保険料の免除期間の保険料追納拡大
  • アメリカの制度を参考にした、個人型確定拠出年金において国が支援金を拠出する制度の創設の検討(詳細は政策各論1の1の(4)の➌
  • 就職氷河期世代に対する老齢を支給事由とする給付の拡充の検討
  • 将来の年金制度の在り方を議論する国民会議設置の検討

NISA等の非課税制度の拡充により、家計の金融資産形成を応援します。国内の株式・国債等債券を対象とするなど国内投資の枠を設けます。

❸低中所得者の老後の資産形成を支援する「個人年金積立金拠出制度」の特例検討

低中所得者は個人型確定拠出年金(iDeCo)により毎月掛金を拠出して老後の資産を形成することが難しい現状となっています。そこで、本人が拠出(上限月間1万円・年間12万円)すれば国が同額を拠出する、低中所得者の老後の資産形成を支援する制度を検討します。例えば、本人が毎月1万円拠出する場合、あわせて国が同額の1万円を拠出することで毎月2万円の拠出となります。運用年率3%の40年間運用で計算すると約1800万円の資産が形成されることになり、いわゆる老後2000万円問題にも対応できます。